ABOUT “地域共生社会”とは?
自分のできる範囲で誰かを支え、
時には自分も支えてもらう。
そんな「お互いさま」でつながり、
共に高め合うことのできる地域社会を指します。
「支える側」と「支えられる側」という
枠組みを超え、年齢や性別・障がいの
有無などにかかわらず、
それぞれが役割を持って支え合う。
そして、支え合いによって誰もが生きがいを
もちながら暮らし、輝ける社会であること。
その実現のためには、
公的サービスの充実を図るだけでなく、
市民のみなさまが多様な個性を生かして
地域づくりに参加することが必要です。
できることを持ち寄り、支え合いながら
共に生きていく「地域共生社会」の実現を
全市一丸となって目指していきましょう。
WHYなぜ今“地域共生社会”の実現が
重要なの?
かつての地域社会には、
ご近所付き合いが当たり前のようにあり、
その中で周囲の変化に気づいて助け合うという人間関係が身近にありました。
しかし、現在では人口減少や少子高齢化が
本格化するとともに、
家族のあり方やライフスタイル、
価値観などが多様化することによって、
絆が薄れ地域社会での支え合いの基盤が
弱まってきています。
また、個人や世帯が抱える問題は
複雑化・複合化し、
「どこに相談したら良いか分からない」
「相談することもできない」といった
相談に苦労してしまう現状もあります。
誰もが孤立せず安心して
いきいきと暮らすためには、
人と人とがつながり、支え合うことが大切です。
人との関わりが希薄になりつつある今こそ、
つながりのある地域社会の再構築が
求められています。
EFFORTS今、私たちができること。
地域共生社会の実現につながる活動に
取り組んでいるみなさんに
それぞれの視点から話を伺いました。
みんなの居場所をつくるために
私たちは、NPO法人としてパソコン教室を開いていますが、そのきっかけとなったのは、以前、宇都宮市が主催していたパソコン講座の運営を担っていたことでした。
この講座は10年ほどで終了しましたが、私たちは、もっと学びたい人のために何とかしようと思い、NPO法人「ITアットうつのみや」を立ち上げ、パソコン教室を続けています。
現在、大切にしているのは、教室に来た人が安らげる環境を作ること。
教室の参加者は5~10人程度ですが、休憩のお茶タイムなどを通して、終わるころにはみんなが友達になっています。
パソコンをゆっくりと楽しく勉強できるみんなの居場所でありたいと思っています。
未来の私たちのために
まちづくりに取り組む際、まず地域住民を対象にアンケートを行い、地域の現状やニーズを分析し、また、有志の集まりで福祉の勉強会を実施しました。
これを踏まえ、現在は、第2総協議体※において、福祉協力員や民生委員、自治会と協力し、地域住民の居場所づくりなどに取り組んでいます。
助け合い、支え合う地域共生社会を実現するには、私たちが行うような仕組み作りも必要ですが、最も大切なのは地域の皆さんがまちづくりに参加することだと考えます。支える人、支えられる人は固定された立場ではなく、循環するものです。
今、地域の人を支え、まちづくりに参加することは「未来の私たちのため」になるのではないでしょうか。地域住民も、地域の外から来た人も、だれにとっても住みやすい地域にするために、みんなで少しずつ取り組んでいけたら良いですね。
第2層協議体:地域のまちづくりや福祉の団体などが参画し、地域の高齢者を支えるために、地域における見守り活動やボランティア活動、居場所づくりなど「地域でできること」を検討する場です。
さまざまな特性を持った人と共に働くために
私の農園では、加工用ニンジンを栽培していますが、収獲の際、人手不足に悩んでいました。
そんな中、「農福連携※」セミナーを受講し、障がい者作業所の「恵友会ひびき」に作業を依頼しました。作業に来てくれる皆さんは、私の期待していた以上の戦力となり、今では、なくてはならない存在です。
この取り組みが評価され、県の土地利用型園芸コンクールでは、優秀賞をいただきました。また、私からも共に頑張ってくれた「恵友会ひびき」へ感謝状を贈りましたが、受け取った皆さんの笑顔は忘れられません。
今後は農福連携を通じて、たくさんの人と一緒に働きたいと思っています。もっとたくさんの障がい者作業所がこの取り組みに賛同してくれると良いですね。
農福連携:障がい者が農業分野で活躍することを通じて、自信や生きがいを創出し、社会参画を実現するとともに、担い手不足や高齢化が進む農業分野において、新たな働き手の確保につながる取り組みです。(「県農福連携ガイドブック」より)
より良い地域をつくるために
地区社会福祉協議会では、地域の皆さんが参加できる、餅つきや福まきなどのイベントを企画しています。こういったイベントは、地域の人を知り、見守るきっかけになります。
さらに自治会では、ボランティアが運営する駄菓子屋「ちび天堂」を開いています。多いときは、1日に50人ほどが訪れ、学校終わりの子どもや昔を懐かしむ高齢者の居場所となり、交流が生まれています。自治会に入る人を増やすには、地域の皆さんに活動を楽しいと思ってもらうことが大切ですからね。
また、民生委員が声を掛け、有志で立ち上げた老人クラブは、社会奉仕活動やクラブ活動、会員への誕生日プレゼントなどを通し、高齢者の見守りに役立てるなど、地域になくてはならないものとなっています。地区社会福祉協議会と自治会が共に活動し、皆さんを巻き込んてより良い地域を作っていきたいですね。